フィチン

4-「フィチン」は毒ではない-健康に貢献する成分です

え、ヒーロー候補だったの!? 悪者扱いされた「フィチン」の意外な素顔


ハカセ!玄米の『フィチン』はミネラル泥棒じゃないって分かって安心しました!でも、ミネラルを供給する以外に、体に良いことって、ないんですか?期待しちゃダメ?

ほっほっほ、ケンタくん、諦めるのはまだ早いぞい!実はな、この『フィチン』、最近じゃその・意外なパワーが注目されて、『ただ者じゃないぞ!』・と研究者たちの間でも話題になっておるんじゃ!

えっ!?ただ者じゃない!?どういうことですか?

うむ。フィチンはな、近年、健康維持に役立つと期待されている・『ファイトケミカル』・の仲間だと考えられておるんじゃ。

ふぁいと…けみかる…?なんか強そうな名前ですね!プロレス技みたい!

(笑)いやいや、技の名前ではないぞい。『ファイト』はギリシャ語で『植物』、『ケミカル』は『化学成分』という意味じゃ。つまり、・植物が紫外線や害虫から自分自身を守るために作り出している、色や香り、苦味などの天然成分・のことじゃな。赤ワインのポリフェノールとか、緑茶のカテキンなんかが有名じゃろう?

あ、ポリフェノール!それは聞いたことあります!体に良いってやつですよね?フィチンもその仲間ってことですか?

そういうことじゃ!そして、このフィチンや、体の中で分解されてできる成分(イノシトールとかIP3なんて呼ばれるものもある)には、実に・興味深い働きが期待されている・んじゃよ。いくつか紹介しようかのぅ。

おぉ!ぜひお願いします!

まず一つは、・『抗酸化作用』・じゃ。体がサビる、つまり細胞が老化したり、生活習慣病の原因になったりするのを防ぐ働きが期待されておる。いわば、・体のサビ止め・のような役割じゃな。

サビ止め!それはありがたいですね!アンチエイジングってやつですか?

そうじゃな。次に、我々の体を病気から守る・『免疫機能』を、うまく調整してくれる・のではないか、という研究も進んでおる。強すぎず弱すぎず、ちょうど良いバランスに保つ手助けをしてくれるかもしれんのじゃ。

へぇー!免疫!それも大事ですよね!ハカセ、なんかフィチン、すごいじゃないですか!

まあ待て待て、まだあるぞい。さらに驚くことに、・がん細胞の増殖を抑えたり、正常な細胞に戻るように働きかけたりする・可能性についても、世界中で熱心に研究が進められておるんじゃ。

が、がん細胞にまで!?……ハカセ、フィチンって、もしかして…めちゃくちゃスゴイやつなんじゃ…?

ふぉっふぉっふぉ。どうじゃ?ちょっと前まで『毒だ』の『ミネラル泥棒だ』のと濡れ衣を着せられて、悪者扱いされておったフィチンが、・実は体を守るために静かに働いてくれる、頼もしいヒーロー候補・かもしれんのじゃ!

うわーーーっ!!なんてドラマチックな展開!悪者どころか正義の味方だったなんて…!フィチン、疑って本当にごめんなさい!って感じです…!

はっはっは。もちろん、これらの働きはまだ研究途中のものも多くて、『これを食べれば絶対に病気にならない!』なんて断言はできんぞ。じゃがな、・少なくとも『フィチン=毒』という見方は、もはや時代遅れ・と言っていいじゃろう。むしろ、・適切な量をバランスの取れた食事で摂ることで、私たちの健康を陰ながら支えてくれる可能性を秘めた、価値ある成分・と捉えるのが、今の科学的な見方じゃ。

そうなんですね…。いやぁ、本当に勉強になりました!フィチンの見る目が完全に変わりましたよ!

うむ。誤解が解けて何よりじゃ。玄米は、まさにそんな頼もしいフィチンを含んだ、栄養豊かな食品なんじゃよ。

いやー、良かった!これで心置きなく玄米食べられます!…でも、ハカセ、そうなるとますます疑問なんですけど、・なんでそんな良いヤツ(かもしれない)フィチンが、あんなに悪く言われちゃったんですかね…?・しかも、『発芽玄米ならフィチン酸が分解されて安全!』みたいな話も聞いたことあるんですけど、あれは何だったんですかね?

ほぅ、ケンタくん、良いところに気が付いたのう。その『発芽玄米』の話も、実はこの『玄米危険説』が広まるのに、一枚噛んでおるんじゃ。さあ、そのカラクリも、次に詳しく見ていこうじゃないか。


POINT

「フィチン」は毒ではない
健康に貢献するファイトケミカルとしての一面を持つ

1.フィチンの再評価: フィチンは単なる栄養阻害物質ではなく、近年その生理活性が注目されている「ファイトケミカル」の一種である。

2.期待される健康効果: フィチン及びその代謝物(イノシトール、IP3等)について、現在研究が進められている
*抗酸化作用
*免疫機能の調節
*抗がん作用の可能性など

3.総合的な評価: フィチンは「毒」どころか、適量であればむしろ健康維持に役立つ可能性を秘めた成分である。

【フィチン】ニュース、コラム一覧

Science News 2018年8月9日(コーネル大学) This small molecule could hold the key to promising HIV treatments・この小さな分子(フィチン・IP6)は、有望なHIV治療法の鍵となる。(英文)

コーネル大学などの研究チームは、HIVウイルスが細胞内で組み立てられ、感染力を持つようになる過程で、「IP6」という小さな分子が非常に重要な役割を果たしていることを発見しました。


Boost your immune system・免疫力を高めましょう(英文)
By Dr. Teresa C. Hill(コラムニスト:テレサ・C・ヒル博士)
記事の中で
IP6(イノシトールヘキサリン酸): 全粒穀物や豆類に含まれる天然の食物繊維であるフィチンが「ナチュラルキラー細胞」という免疫細胞をサポートするということを話題にしています。


Zn ‐ InsP 6錯体は体からの放射性ストロンチウムの排出を促進する フィチン酸と亜鉛のタッグで、危険な放射性ストロンチウムを体外へ排出!(英文)

原子力発電所の事故などで放出される**放射性ストロンチウム(Sr-90)**は、半減期が長く、体内に入ると骨にたまりやすい性質があります。これが骨がんや白血病のリスクを高める可能性があるため、体内に入ってしまった放射性ストロンチウムを効率よく体外へ排出させる方法が求められています。
研究チームが注目したもの:
・玄米などの全粒穀物や豆類に多く含まれる天然成分「フィチン酸(InsP6)」と「亜鉛(Zn)」を結合させた特別な複合体「Zn-InsP6」を作りました。この複合体は水に溶けにくいため、口から摂取しても腸で吸収されにくいという特徴があります。
実験内容と結果:
吸着力テスト(試験管レベル): Zn-InsP6がストロンチウムをどれだけ吸着できるか試したところ、非常に高い吸着能力を持つことが分かりました。(比較対象のランタンとの複合体よりもずっと強力でした)
マウス実験(体内での効果):マウスにZn-InsP6を経口投与した直後に、放射性ストロンチウム(測定しやすいSr-85を使用)を経口投与しました。
その結果、Zn-InsP6を投与されたマウスは、投与されなかったマウスに比べて、骨や血液への放射性ストロンチウムの蓄積が大幅に減少しました。
これは、Zn-InsP6が腸の中で放射性ストロンチウムとくっつき、体内に吸収されるのを防いで、便と一緒に体外へ排出するのを助けたことを示しています。

結論と意義:
・フィチン酸と亜鉛の複合体(Zn-InsP6)は、体内に入った放射性ストロンチウムの吸収を抑え、体外への排出を促進する効果があることが分かりました。
・この研究結果を人間に当てはめて試算すると、Zn-InsP6を使うことで、放射性ストロンチウムによる内部被ばく線量を約半分に減らせる可能性があります。
・したがって、Zn-InsP6は、放射性ストロンチウムの体内除染(デコーポレーション)に役立つ、有望な物質であると考えられます。
・研究チームは、この複合体が他の放射性医薬品の不要な被ばく低減にも役立つ可能性があるとして、さらに研究を進めています。
・簡単に言うと、**「フィチン酸と亜鉛を組み合わせたものは、体内に入った厄介な放射性ストロンチウムを捕まえて、吸収される前に体の外に出すのを手伝ってくれるようだ」**という研究成果です。


研究チームはニューロン信号をコントロールしている分子を特定研究チームはニューロン信号をコントロールしている分子を特定。(英文)
「私たちの脳の中で、神経細胞同士の情報のやり取りが過剰にならないように、うまくブレーキをかけている重要な分子(IP7)を発見した」

『玄米、フィチン』の文献