話、ちゃうやん!玄米に入ってるのは「フィチン」で、 「フィチン酸」じゃないんだ!?


ハカセ!さっき『玄米危険説は大きな勘違い』って言ってましたけど、じゃあ一体、何がどう勘違いなんですか?みんな『フィチン酸、フィチン酸』って言ってるのに!

うむ、そこが一番のキモじゃ!いいかケンタくん、よーく聞くんじゃぞ。ネットで『玄米の毒』と騒がれておるのは『フィチン・酸・』。じゃがな、実際に・玄米に含まれている主成分は、『フィチン』・なんじゃ!

えっ!?フィチン…・サン・…じゃないんすか?
『酸』が付かないだけ?微妙な違いっすね…?

ほっほっほ。言葉遊びのようじゃが、これが天と地ほど違う、・全くの別物・なんじゃよ!リンゴとリンゴジュースくらい違う……、いや、もっと違うのうぅ…。

ぜ、全然ピンとこないっす…!まず、その『フィチン』って何者なんですか?玄米だけの秘密成分?

いい質問じゃ!まず『フィチン』じゃが、これは自然界の植物が持っている、いわばミネラルと仲良しな成分での。化学的に言うと、・『イノシトール6リン酸』っていう本体に、マグネシウムやカルシウム、カリウムといったミネラルがガッチリくっついた状態・。言ってみれば、・ミネラルとセットになった『塩(えん)』・のようなものじゃな。
・フィチンの構造・

フィチンはカルシウム、マグネシウムや亜鉛などとの結合物で、ミネラルの供給源。健康維持に役立つファイトケミカルの一つである。

へぇー、ミネラルとセット?なんかイメージ変わりました!じゃあ、やっぱり玄米にたくさん入ってる特別な…

いやいや、それも違うんじゃ。フィチンはな、・玄米だけじゃなく、小麦とか大麦みたいな他の穀類、大豆や小豆みたいな豆類、ゴマやナッツみたいな木の実・にも普通に含まれておる、植物界ではわりとポピュラーな成分なんじゃよ。別に玄米だけに含まれている「悪者」ではないんじゃ。
食品中のフィチン含有量



そ、そうなんですか!知らなかった…じゃあ、一方で、みんなが問題にしてる『フィチン・酸・』ってのは、一体何なんですか?

うむ。それが問題の『フィチン・酸・』じゃな。これは、さっきの・フィチンから、くっついていたミネラルをぜーんぶ取り除いた状態・。化学的には『酸』の性質を持つ、純粋な『イノシトール6リン酸(IP6とも言う)』のことじゃ。自然の植物にそのまま存在するフィチンとは違って、どちらかというと化学的に・抽出・精製された形・で見ることが多い物質じゃな。
・フィチン酸の構造・

ミネラルとの結合物である『フィチン』からミネラルを除去したのが『フィチン酸』

なるほど…フィチンはミネラルと『セット』の状態、フィチン酸はミネラルが『無い』状態…なんとなく違いは分かりましたけど、それでも、そんなに大騒ぎするほどの違いなんですか?

大違いなんじゃよ、ケンタくん!たとえば、食卓にある『食塩』はナトリウムと塩素がくっついた安全な物質(NaCl)じゃろ?じゃが、塩素だけを取り出した『塩素ガス(Cl2)』は、吸ったら危険な毒ガスじゃ。このように、・何かがくっついているか、いないかで、性質が全く変わってしまう・ことは、化学の世界では当たり前なんじゃ。

うわーっ!食塩と塩素ガス!それは確かに全然違いますね!ヤバいじゃないですか!

そうじゃろ?だから、『フィチン』と『フィチン酸』も、名前は似ていても・性質は全くの別人・!玄米に入っているのは、ミネラルと手をつないだ穏やかな『フィチン』の方なのに、みんな、ミネラル無しのピリピリした『フィチン酸』のイメージで語ってしまっている。これが、そもそもの大間違いの発端なんじゃ!

な、なるほどー!!『酸』が付くか付かないかで大違い!玄米には『フィチン』!ようやく分かりました!じゃあ、なんでその『フィチン酸』の悪いイメージだけが玄米にくっついちゃったんですか?

ほっほっほ、それは次の話じゃな。その『フィチン酸』が持つとされる、ちょっと困った性質が、大げさに語られておるんじゃよ。さあ、その誤解も解き明かしていこうかの!
POINT
根本的な誤解
玄米に含まれるのは「フィチン」であり「フィチン酸」ではない
1.明確な区別:まず、風評の最大の誤りである「フィチン」と「フィチン酸」の混同を指摘。玄米に含まれている主成分は「フィチン」であることを強調。
2.フィチンとは?
・化学的定義:イノシトール6リン酸にミネラル(主にマグネシウム、カルシウム、カリウム等)が結合した「塩(化合物)」。
・存在場所:自然界の植物、特に穀類(玄米含む)、豆類、木の実の外皮や胚芽部分に豊富に含まれる天然成分であり、玄米特有のものではない。
3.フィチン酸とは?
・化学的定義:フィチンからミネラルが除去された純粋な「酸(イノシトール6リン酸、IP6)」
・性質:化学的に抽出・精製された形で見られることが多い物質。
4.両者の違い:「フィチン」と「フィチン酸」は、ミネラルと結合しているか否かで化学構造も性質も異なる全く別の物質である。
※例(食塩(NaCl)と塩素ガス(Cl2)が違うように、フィチンとフィチン酸も異なる物質)
フィチン酸表示の疑問

【質問】:玄米などの穀物に含まれるのは「フィチン」なのに、食品の栄養成分表示などには、なぜ「フィチン酸」と表記されるのですか。

【答え】:確かに栄養成分表示などに「フィチン酸」と表示されるために、「食品中にフィチン酸が含まれている」と誤解される要因となっていますが、これは、主に「成分量を測定する分析方法の都合」によるものです。
食品中の「フィチン」の量を測る一般的な方法では、測定の過程で「フィチン」を一度「フィチン酸」の状態に変えてから、その量を測定します。
そのため、測定結果を示す分析表などには、実際に測定した物質名として「フィチン酸」という項目名で数値が表示されることが多くなります。

通常は分析方法の詳しい背景を知らない場合、この表示だけを見て「食品中にフィチン酸が含まれている」と誤解すると思います。しかし、実際に食品中に存在しているのは「フィチン」なのです。

